王国ファンタジア【雷電の民】
疑心暗鬼に駆られながらも彼女の後をついて行く。彼女が何者であろうとここまで来たら腹を括るしかない。
広場を過ぎた頃から、彼女の口数が徐々に少なくなってきた。行く先に見えてきたのは岩肌に彫られた巨大な門。
彼女はその門の前でぴたりと足を止めた。
「兄ちゃん、うちに掴まっといて」
そう言って差し伸ばされた手をしっかりと掴むと、彼女は門に手を当て何事かを呟いた。
刹那
視界がスパークしたかと思うと俺は先程までとは違う場所に来ていた。