王国ファンタジア【雷電の民】

背後を見れば、先程と同じように岩壁に彫られた巨大な門が。



こつん

と足音がして、音の方を向けば先に進む少女の姿が。後を追うと彼女は置物を避けながら段差を登っていく。


…ここへ来て、彼女はついに一言も言葉を発さなくなった。

先を行く彼女に、ここはどこなのか聞きたかったが、迷子の子供のようなその背中を見ているとなんとなく聞けなかった。





後になって思う。俺はもう、この時点で薄々気づいていたのだ。ただ、認めたくなかっただけで………。



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