王国ファンタジア【雷電の民】

「君が協力できないというのなら、それも仕方ない。俺も年端のいかない少女を戦場に引っ張りだすのは心苦しい。いずれにせよ、俺は早急に王都に帰還しなくては」

くわえとったキセルを口から放す。

「せやな」

「すまない。君には迷惑をかけるが、麓まで送ってくれるとありがたい」

ふう、と息をついてキセルをまたくわえなおす。がしがしと頭をかいてため息をついた。

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