王国ファンタジア【雷電の民】
ビュオオ ビュオオォ…
吹きすさぶ風が俺の体力を奪う。
右腕が痛む。
体が悲鳴を上げる。
体力が限界を訴える。
だが、ここで倒れる訳にはいかない。俺には帰りを待つ人がいる。
−雷が鳴る。
この山岳地帯の麓に住む民の話が脳裏に蘇る。
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<あんた、雷電の民に会いにきたんだって?>
<ああ>
<なら運がいい。
こんな風に雷が鳴ってるってことは雷電の民が里にいるってこった>
<本当か?!>
<うんうん。この頃は雷が鳴ることもめっきりなくなってたけどねえ…>
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