王国ファンタジア【雷電の民】
「水晶の…鈴と太鼓?」
「ん。これはそうやなァ、軒先にでも吊そかな」
と太鼓を見る。
「こっちはわしが身につけとく」
と鈴を揺らす。ちりーんと澄んだ音がした。
「雷荒神様に家の守護を、風貴神様に道中の守護を祈るもんや」
「らいこうじん?ふうきじん?」
耳慣れない単語に思わず聞き直す。
「せや。詳しい説明は省くけど、雷電の民の守り神や」
さらっと言った彼女は、
「それと…」
と懐からまた何かを取り出した。