王国ファンタジア【雷電の民】
取り出したのは球形の水晶の表面に繊細な彫刻のなされたペンダント。
「この紋様の意味は誇り高き心。兄ちゃんにこれを。雷避けも兼ねてるし」
とぱちりとウインクして俺の手に置く。
「待たせといて悪いけど、もうちょい待っといて」
彼女はそう言って部屋の中へ。俺はさっき渡されたペンダントを見た。透明な球体の中には淡い光が見える。
(…)
どれくらいそうしていただろうか。扉が開いて彼女が出てきた。