SKY
急に治療室がバタついて俺等も慌てた。


どないなるんや!サトシはどないなるんや?


不安ばっかり募って・・・。


俺等はただ・・・見守る事しか出来ん。


中に入ってる先生と看護婦さんはテキパキと何かをしてるけど、サトシは何も反応無しない。


仕舞いには・・・ピーーーッって言う無残な音が響いてきた。


「サトシーーーー!!逝くな。まだ・・・逝ったらあかん!!」


ガラス越しにサトシを呼んだんや。


俺はお前にまだ「ありがとう」って言ってないで。


別れも言ってない。


俺を・・・置いて逝くな。サトシ・・・


オヤジは何も言わずにただ・・・サトシを見てた。


拳を握り締めて。


オカンはぐちゃぐちゃに泣いて崩れてた。


サトシは一人っ子やったから。


オカンやオヤジにとってサトシはかけがえのない息子や。


例え、クソ野郎でも。


家に迷惑ばっかり掛けてたとしても。


親孝行してなくても。


でもなぁ・・・両親にとったら可愛い息子や。


その息子に最大の親不孝されてんやで。


「サトシ・・・戻って来い。戻れや・・・」






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