SKY
俺の神頼みは・・・無駄だった。


この世に神様なんかおらん。


神様に必死でお願いしても、サトシは助からんかった。


サトシは29歳って若さでこの世を去ったんじゃ。


先生が死亡時刻を俺等に告げて、サトシが寝てる部屋に俺らを入れてくれたんや。


「サトシ・・・サトシ・・・?何で目を開けんの?何で・・・手を握り返してくれんの?ぅぅっ」


サトシのオカンはサトシにうな垂れる様にずっと返答を求めてた。


何を話しても、答える事が無いサトシ。


ほんまに・・・屍や。


今まで生きてたのに、今はただの屍なんや。


俺はそんなサトシを見てられず、廊下を走って、院外へ出たんや。


「サトシーーーーー」


空に向かって嗄れるほどサトシの名前を叫んだ。

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