SKY
人は死んだら、最後のお別れをせんといかん。


葬式という別れの場で。


「親父、麗奈には知らせたんすか?」


「親には知らせたで。親から聞くやろ?」


サトシの死。


麗奈も葬式には来るはずや。


兄貴って言ってサトシを慕ってた麗奈。


その兄貴が居なくなったんやで。


俺は不幸の空気の中、少し・・・不謹慎に思ってたかもしれんな。


葬式をキッカケに麗奈に会えると・・・。


でも・・・結局、麗奈は来なかった。


麗奈の両親は来てても、麗奈の姿は無かったんじゃ。


サトシも可哀想じゃ。


好きな女にさえ見送ってもらえんかったからの。


サトシ・・・俺はお前の分まで気張るで。


この先の人生、お前と一緒に気張るからな。


例え・・・話せなくても、どつきあい出来なくても、憎まれ口言い合えなくても・・・


俺の背中にはサトシ。


お前が居るって思ってるで。


今まで・・・ありがとな。


お前と過ごした時間、楽しかったで。


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