SKY
麗奈の誕生日当日。


俺は現場から事務所に戻ってきて、自分のデスクに顔を突っ伏してた。


「春磨君、どないしたん?」


「・・・・・・何でもない」


「何でも無いって事あらへんやろ?何か力になれるかもしれんで?話してみ」


事務所で事務員として働くこの女。


おれが初めて過ちを犯した女。


間違って抱いた女。


麗奈と同じ名前のレイナ。


何故かここで働いてる。


ってか、多分俺を探してここに就職してきた。


相手にしてないから、勝手に働けって感じだったんや。


「何でもあらへん。俺に干渉すんな!」


少しキツメに話すと俺から離れて給湯室へ消えた。


再び顔を突っ伏して、溜め息を付くと、コーヒーの匂いが鼻についたんや。


顔を上げると、


「少しは落ち着くで?冷めんうちにどうぞ」


コーヒーカップを俺のデスクへ置き自分のデスクへ戻ったレイナ。


コーヒーを口へ含むと、


「にがっ!!おまっ、砂糖入れたんか?」


苦くて少し吹き出した俺(汗)


「ブラックの方が頭、冴えるで(笑)」


俺はちょっと甘めがええんや。


ブラックコーヒーなんか好きやない。


「今日は春磨君の彼女の誕生日なんやろ?」


「は?何で知ってんねん?」






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