SKY
「もう2度と娘と会うな」


最後にオヤジに言われた言葉や。


そう言ってもこのまま終わらせられへん。


麗奈と話がしたくて何度も電話・メールしたんや。


繋がらんし、返信も無かったけどな。


それでも麗奈の家に何度も行って会わせてもらえる様に頼んだりしたけどな。


結局麗奈が家におらんかったり親に断られたりしてな会えんかった。


俺らを唯一繋ぐ物。


携帯だけや。


その携帯ですら掛けてもガイダンスばっかりや。


電波が入ってないってな。


麗奈の学校近くで待ってた事もあったけどな。


オヤジか親戚が迎えに来ててな声も掛けれんかった。


麗奈が落ち着くまで俺は待ってようと思ったんや。


ちゃんと話に来てくれるって思ってな。


自然消滅されるんじゃないかってぐらい不安だったけどな。


麗奈はそんな事せん!そう思い込んで。待ってたんや。


麗奈が『極悪』に乗り込んだ事すら俺は気付いてやれんかった。


本当ならば俺が麗奈を助けに行かんといけなかったのに・・・


麗奈を助けたのはカケルじゃ。


カケルがおらんかったら最悪だったのぅ・・・


結局俺は口だけで麗奈を1つも守ってやれんかった。


逆に俺がいつも麗奈に守られたんや。


情けないのぅ・・・



< 93 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop