ロンリネス
もう一人の桐崎
ガチャ――
ゆっくりとリビングのドアノブを回した。
そろーりと開けて中を見渡す。
「あ、美桜ちゃん? そこで何してんの、早くおいでよ」
ホッ…
栄一さんの声がして安心した。
それに栄一さん以外は誰もいない。
もしかしたら栄一さんは一人でこの家に住んでるのかも…。
よし、聞こう。
『あのー…栄一さん?』
「ん?」
栄一さんはテーブルにお皿を運びながら返事をした。
『あ、手伝います!』
「あ、そう?ありがとう。…ってゆうか敬語いらないって!」