ロンリネス
「美桜ちゃん…高校のことなんだけど……」
食事が始まって少しした時、栄一さんがそう切り出した。
高校……?
そういえば私の高校、ここからだとものすごく遠い…。
「勝手に編入しちゃったけど…よかった?」
栄一さんの言葉は思いもよらない言葉だった。
『へ!?』
「栄介と同じ高校なんだけど…」
『は、はぁ…』
「制服はもう美桜ちゃんの部屋のタンスにかけてあるんだ」
高校…変わるんだ。
じゃぁ友達ともお別れか。
…まぁもともとあんまり深い友情じゃなかったからいいか。
新しいスタートを切るチャンスだ。
『ありがとうございます』
私は精一杯の笑顔で栄一さんを見た。
栄一さんも満足そうに笑って、私は正直うれしかった。