左手の指輪とあなたの隣


『高倉ちょといいか?』

愛しいあなたに呼ばれる。


『はい、なんですか?』

『今週の土日、部活無いから。ごめん!』
と両手を合わせてきた。

こんなことは、
もう何度目だっただろう。


『…またですか?』

『今週、うちの奥さんの誕生日なんだ。本当にすまん。』

私は、ムスッとした。



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