Utopia









…うわわわわ、
馬鹿だ、私はバカだ。

そしてコイツは変態だ。
間違ない、始めて見た。




ああもう、今何時だ。こんな夜中に私は何をやってるんだろうか。

両親もさすがに心配…してないな……家の電気消えてるし。たぶんもうみんな寝てる。



うん、
なんか泣きたくなってきた。








「……ね、聞いてる?」

「ひぎゃ…っ!」





耳に口がつくかつかないかぐらいの距離で話されて、鳥肌が立った。


そういえば初めてあった恩人に変態行為をされてるんだった。
なんだこの説明。





「色気ない声だねぇ。」

「バカか!?いやバカだお前は!離れろ変態!」

「…女の子がそんな言葉使わないの…。」

「変態相手には万国共通です!…ってだから近いって…!」





深夜なので近所さんに配慮しつつ(よく考えたら配慮はいらなかった)ギャーギャー騒ぐ私に、なにが楽しいのかクスクス笑う変態。


だから耳元で笑うな。

もう一度抗議しようと口を開きかけたとき、長い指が私の顎をつかんだ。





首、を、締められる!?










「…ねぇ、俺、命の恩人だよね?」







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