【短編】負けず嫌い
おれは思いっきり頭を提げた。
すると茅捺はフイッと視線を逸らした。
だからおれは、頭を提げたまま口を開いた。
「おれもあんな事するつもりじゃなかった……」
「そんなんで言い訳にならないよ」
あぁ!!!
もうこれじゃらちがあかねぇ!!!
「お前がキスなんてするからだろ!?」
そう怒鳴ると、茅捺は目を見開いた。
「はぁ!?あたしのせい!?」
「そうだよ!!お前のせいだよ!!」
ついに自分が悪いのにキレたおれはそう叫んだ。