【短編】負けず嫌い
「信じらんない!全部あたしのせいって訳!?」
そう怒鳴る茅捺の目が潤む。
っげ!!
それに正気に戻ったおれは、慌てて口を開いた。
「いや!全部、茅捺のせいって訳じゃねぇよ」
両手をヒラヒラしながら否定するおれ。
「もうやだ……」
あぁ!!!もう!
話を聞いていない茅捺をおれは引き寄せて抱きしめた。
「ちょっ!!放してよ!変態!!」
グソ。
その言葉にまた傷付いたけど、おれは放さなかった。
「放してたまっかよ!やっと掴まえたんだぞ!?」