【短編】負けず嫌い
哀れな目であたしを見つめてそう言うのは、隣の住人。
三浦武。
そいつの机の上には堂々と24点の解答用紙が置かれていた。
っく……1点負けた。
「そんな事言ってるけど、どうせあんたも追試よ!」
睨みながらそう言って、椅子に座った。
すると数学教師は口を開いた。
「今回の平均点は……」
こい!!46点未満!!!
あたしは指を組んで上に上げて願う。
「48点!24点未満は追試なぁ」
散った……。追試決定。
ガックリと机に伏せると、肩を叩かれた。
ゆっくり叩かれた方を見ると、三浦がニッと笑った。