【短編】負けず嫌い
「うっさい……教えてもらっておいて歯軋りしないの」
そう言って冷たい目であたしを見下ろした。
梓乃は学年でも頭がいい方。
だから追試なんてものには無縁な訳で、あたしは教えてもらっていた。
いや……。
今の歯軋りは、梓乃に対してじゃなくて。
「ごめん……でも、あぁ!!ムカつく!!」
大声で叫びながらあたしは机をバンッと叩いた。
それを見ていた梓乃は頬杖をつきながらあたしを見上げた。
「また三浦~?仲良いね、あんた等」
そう言って右の口角を上げた。
「全っ然仲良くないし!あいつ最低だし」