【短編】負けず嫌い
「おい。茅捺、追試だろ?今から」
そう声をかけられてあたしは振り返って三浦を見た。
すると意地悪な笑顔を見せながら言った。
「ま、赤点取らないように気をつけろよ?っつっても、お前じゃ無理か」
いつものあたしを貶す言葉。
でも……胸が痛かった。
何で……三浦はあたしだけに意地悪するんだろう。
どうしてあたしを貶すんだろう。
どうしてあたしを馬鹿にするんだろう。
そんなに差なんてないのに。
ちょっと上だからって、何で……。
あたしは痛みを我慢しながら言い返した。