【短編】負けず嫌い
「そんな酷い事言わないでよ!!」
目頭が熱くなるのが分かった。
でもあたしは三浦を見上げた。
「自分がちょっと上だからって……そんなに言わなくたっていいでしょ!?あたしだって頑張ってるの!」
いつもと違う反応を見せるあたしに目を丸める三浦。
そんな三浦を睨んで、あたしは足早に廊下を歩き出した。
やっぱり三浦なんて嫌い!!
大ッ嫌いだよ……三浦なんて。
その瞬間、意識が遠のいた。
「茅捺!!?」
まだほんの少し意識があったとき、三浦がかけよってあたしの名前を呼んだ……気がした。