無口なdarling【Christmas night】
「落ち着いた?」
長いキスが終わると、猛がそう囁いた。
コクンと頷き前を向いた。
「大丈夫!猛が選んでくれたんだもん!」
「・・・違うな」
歩こうとすると、後ろで猛が話し始めた。
「俺が選んだんじゃねーな・・・。お前が、俺を選んでくれたんだよな?」
「え・・・?」
クリスマスの奇跡は何度も何度も降ってくるんだろうか?
猛がこんな風に言ってくれるなんて。
「違うよ、どっちかじゃないよ。お互いが求め合ったんでしょう?」
確かに“選んだ”じゃない。
選択肢はいつだって1つなんだよね?
私は“猛”
猛は“私”
お互いが、お互いしか見えなかったんだもん。
「そっか。そうだよな」
ポンっと私の頭を撫でると、スタスタと前を歩いて行く。
その腕にギュっと絡まり、猛の家に向かった。