無口なdarling【Christmas night】
「あの!初めまして!!佐々木澄子です!」
ペコペコしながら入って行くと、既にテーブルに座っている猛のパパとママ。
お姉さんの姿はまだ無いみたい。
「どうぞどうぞ」
いわれるがままに席に着き、手土産もちゃんと渡せた。
うわ~猛のパパっ猛にそっくりだ。
将来はこうなるのかぁ!年取っても心配ごとは消えなさそう。
「まぁ、知ってると思うけど俺の彼女」
そんなダイレクトに紹介されるとさすがに照れてしまう。
「猛が女の子紹介してくれるなんて!なんだか不思議ね。でも嬉しい」
猛のママは嬉しそうに微笑む。
息子の彼女なのに、嫌じゃないのかな・・・?
「それにしても、お姉ちゃんはまだなの?」
「は?いねーの?」
「そうなのよ~コンビニに買い物頼んでから帰って来ない・・・」
その言葉と同時くらいに玄関のドアが開く音がした。
「ただいま~」
お姉さんだっ!!
「さむーい!外で煙草吸ったのが失敗!」
リビングに入ってきたお姉さんは、猛に少し似た強気美人だった。
「奈津!遅いじゃない」
少し怒ったようにそう言うと、チラリと私達の顔を見る。
「?」
「だって~帰り道の目の前でさ?カップルがイチャイチャしてて」
ニヤっと笑いながら私の前に座った。
そのニヤっとした顔が、猛にそっくりで思わず見つめてしまった。
・・・それにしてもカップルってもしかして・・・。
「随分、猛が溺愛してるのねぇ」
やっぱりー!!!