無口なdarling【Christmas night】
奈津の一言で、恥ずかしさのあまりに石になる澄子。
真っ赤なままピクリとも動かない。
「ぷっ!澄子ちゃん固まっちゃった」
俺と似た奈津は、Sっ気が強い。澄子なんて大好物なんじゃねーの。
苦笑いで澄子の方を見ると、すでに涙目だ。
やべ・・・。
「奈津。虐めんのやめろって」
とりあえず庇っておこう。後で澄子にギャーギャー言われるのは俺だし。
「だって~可愛いんだもん。ごめんごめん」
「澄子、気にするな。キスくらい見られたって死にやしねーよ」
「!?☆%&@」
俺の一言にパクパクと口を動かしている。
信じられないと言った顔だ。
「キス??」
「なんでもねー。とりあえず食おーぜ」
きょとんとした母親をスルーし、食事に手を付ける。
隣では未だにパクパクと口を空けた澄子がいる。
「・・・」
小さ目のから揚げを取り、その口に入れた。
ビックリしながらもモグモグと食べた澄子は目を輝かせて「美味しい~!」と叫んだ。
その言葉に全員が微笑み、やっと落ち着いたクリスマスが訪れた。