お前は俺の予約済み!!
どちらからともなく触れた指先。



俺の意識が触れた指先に集中しそうで、



『部活の時間だ…またあとで…』



なんとか平常心を保つことが出来たことにほっとした。



お互いに自然に笑顔で手を振り、



『じゃあ待ってます。部活、頑張ってくださいっ!!』



ありすちゃんはそう言って教室へ入って行った。



そんなありすちゃんの後ろ姿を見つめながら、



俺には瑠璃への後ろめたさが胸の奥に確かにあった。



俺の彼女は瑠璃で、俺は瑠璃の彼氏である事実。



そして瑠璃は俺にとって、誰よりも大切な存在。



瑠璃……ホントにこれでいいのか??



こうして「自由でいる」ことが許されるのはどうして??



瑠璃は本当に平気なのか??



俺は2人の女を同時に好きになれるほど、器用ではないよ??



これが瑠璃の言う「自由でいる」ことだとしても、



これはやっぱり間違ってるよな。

< 67 / 185 >

この作品をシェア

pagetop