異能力者達の夕暮
第1章 戦い
「蒼さん!せっ整備隊にこの場所が見つかりました!」
「ふ~ん、で?」
無表情でそう聞き返す男、蒼を見て私は苦笑いを零す。
で?ってなんだよ、で?って。
普通に言えば良いのに、ほんとに子供だ。
「にっ逃げないんですか!?」
悲鳴染みた甲高い声が聞こえその方向に視線を移す。
「うるさい、ちょっと黙れ」
ウンザリしたようにそう言う蒼に私は溜息を吐いた。
「蒼、逃げよう。整備の人に顔ばれるのはやめたほうがいい」
私の至極冷静な意見に「分かったよ」と言い、よいしょっと蒼は立ち上がる。