異能力者達の夕暮
「うん、」
そう言い蒼は私に手を差し伸べる。
「ありがと」
と私はお礼を言った。
「こんな悠長にしてていいんですか!?」
そんな優雅な時間を切り裂くように言葉が聞こえた。
私は少し煩かったが焦るのも最もだと思う。
私は『瞳孔』のメンバーを見回す。
全員がどうでもよさそうな表情だ。
一人焦っているのはその男だけ。
「嗚呼、煩い。死ねよ」
当たり前のように吐き出された言葉に私は目を見開く。「千!」
私が止める間もなくその男の服は切り刻まれ、
死んでいた。