詩集:砂夢

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止まる音に 寂しさを感じた

自分の弱さに気付く時間




指先が触れた波は

星を生む黒い海に帰る





消えた視界は 覗き込んだように

淡い色で 夢のように微か




そっと落ちた雨は

星の沈む黒い海に帰る





海に浮かぶ波も 海を逃げた雨も

また他の誰かに触れる








繰り返して いつか

ここに戻ってきたなら


雲を眺めて 待っているから

ねえ 僕を包み込んで







そっと その無数の粒で

僕を塗りつぶして

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