詩集:砂夢
1
自分は弱いものだと思ってた
他人は強いものだと思ってた
人と対等でない気がしてた
人とは違うと思ってた
強くなりたかった
強いことの意味も知らないで
誰が強くて
誰が弱いんだろう
何が基準で
何が境界なんだろう
強さと弱さは
同時には存在しないと
いつからか決め付けてた
強くなれば
悲しいことなんかひとつもない
弱いままじゃ
楽しいことなんてひとつもない
いつからこんな風に
線を引くようになったんだろう
誰だってそんなに強くない
誰だってか弱い
君は強がろうとしてなくて
だから少し、弱く見えた
本当に強いのは
きっと君ひとりだった