詩集:砂夢

3

 
寂しくて寂しくて

自分を慰めるために

求めてしまった手のひらが

温かいはずなかった







悲しくて悲しくて

自分の傷を癒すために

求めてしまった体が

温かいはずなかった








飢えた砂の身体が触れるほど

体温を飲み込んで

僕の肌は

何も感じない







苦しくて苦しくて

自分の胸を押さえても

からっぽのこの胸が

温かいはずもなかった

 
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