Tears〜硝子細工の天使〜
‡恋の予感‡
『どうして全然知らない私のためにそんなことしてくれたの?』
率直に疑問をぶつけた。
『困ってる人は助けてあげなきゃ。
知ってる人とか知らない人とか関係ないよ。
それに、かほさんは知らない人じゃないでしょ?』
《こんな人いるんだ…》
切ない気持ちが溢れて、涙が出た。
感謝してもし尽くせないほど嬉しかった。
この事がキッカケで、かほは次第に心を開いてゆき
そしていつの間にか、顔も声も知らないよしきに
少しづつ惹かれ始めている自分に気付いた・・・
しかし…やはり本当の自分の素性だけは知られたくなかった。
結婚している、ということ以外は……。
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