Tears〜硝子細工の天使〜
‡嫉妬‡
その日から、夜、里沙が寝ると
メールをするのが日課となった。
よしきからもし昼間にメールが入っても、里沙には
「間違いメールじゃない?」
と言っておけばいいと考えていたが
かほからメールをしない限り、よしきは一切してこなかった。
かほは自分がしていることを、祥子にだけは話した。
「微妙だなぁ…よしきくん、勘がいいからわかってるのかもよ?」
だとしたら、何故相手をするの?
よしきも同じ気持ちでいてくれるのかな?
微かに期待をしながらも
時には本音を探ろうとしたり
また普通のやり取りをしたり…
しかし、楽しいことはそうは続かない。
メールを始めて、しばらくした土曜日――
『出張があるので、明日の夜までメールできません。ごめんなさい』
《出張…か・・・
うまいこと言って…わかってるんだから》
激しい嫉妬と恨めしい気持ちがかほを襲う。
苦しい・・・・
悔しい・・・・
あおいが憎い・・・・・
心は傷つき、更に傷口をえぐる。
かほがこの時していたことは
リストカットをするのと同じ
自虐行為だったと言える。
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