Tears〜硝子細工の天使〜
‡恋におちて‡
たぶん、よしきは
朝の時点で言おうと思ってたのではないか…
しかしゆうべあんなこと言った手前
いきなりは言うことができなかったのだろう。
と、かほは推測した。
よしきからの電話が鳴った。
「もしもし…
今日ってこれから何か予定ある?」
よしきは開口一番言った。
やっぱり・・・・
かほのカンは当たった。
でも一体どういう風の吹き回しなんだろう?
「ないよ、どうして?」
わざとらしく聞いてみる。
「ゆうべ色々考えたんだけど…
やっぱりかほさんと会ってみたいかなって」
「えっ?私は構わないけど…大丈夫なの?」
期待はしていたものの昨日の今日での
余りにも早い展開にかほは少々戸惑っていた。
《夢じゃないよね?》
《本当に会えるんだ…》
嬉しさが急に込み上げてきた。
そして、かほの家から近い、ファミレスの駐車場で
1時間後に待ち合わせることになった。
こんなに早く会うことになるとは
ゆうべの様子からは想像してもいなかった。
かほは久しぶりに感じる胸の高鳴りに懐かしさを感じた。