Tears〜硝子細工の天使〜
‡三角関係‡
「あおいのことは正直、情はあるけど
もうなんとも思っちゃいない。
ホントに愛してたのはかほだよ。
あおいは付き合ってるつもりだったと思うけど
俺はかほが彼女だと思ってた」
「…そんな都合のいい事言わないで!」
「うん…実際今の状況からしたら、信じられなくて当然だよ。
だから信じなくていい」
何が真実で、どれが本音か…
どう信じていいのかさえも解らなかった。
「弱みって何?」
「…俺とあおいのプライバシーに関わるから、君には言えない。
ただ、簡単に別れられる状況ではないんだ…
それをかほに今、話しても、理解はできないと思うよ」
「今でも私のこと、好き?」
顔を覗き込み、よしきの目を捉えかほは聞いた。
「もちろん、じゃなかったらこうして出てきてないよ」
嬉しさ半分と
それでもあおいとすぐに別れられない
という悲しい現実に
掻きむしりたい程のもどかしさに陥った。