Tears〜硝子細工の天使〜

「それからのアイツは、俺に捨てられるのを極端に怖がって

ものすごく束縛するようになった。


自由なんてなかったよ…

どこへ行くにも着いてくる。

あれこれ疑われてね…


かほちゃん、僕もかほちゃんと同じ思いをしていたんだよ。


かほちゃんが旦那さんにされたこと…

僕も同じだったんだよ。

今だから言うけどさ…」


ポツリポツリと話す…

そんなよしきが、愛おしく

心なしか小さく見え

かほは自然とよしきを抱きしめていた。



「俺はね、別にそれなら二人で仲良くやって行こうって腹くくって

アイツにもちゃんとそう言ったし、気持ちを押し殺して努力したんだよ?


でもアイツは不安だったんだろうな…


……段々ギクシャクしてきてね…」



そこまで言うとよしきは黙り込んでしまった。
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