Tears〜硝子細工の天使〜
二度目のクリスマスが近づいていた。
かほはその日を一緒に過ごせるのか、とても不安だった。
聞きたくても返事を聞くのが恐い……
「クリスマス…今年は一緒にいられそう?」
ある時勇気を出して尋ねてみた。
「夜なら大丈夫だよ」
それでも不安そうに
「あおいさん…いいの?一緒に居たいっていわない?」
と聞くかほに、よしきは
「平日なら大丈夫だよ。
それにね、アイツはクリスマスとか誕生日とか、記念日とか…
そんなもの全く気にしない奴だから」
笑ってそう言った。
かほは満面の笑顔になり
「そうなんだ、珍しいね!よかったぁ〜♪」
子供のようにはしゃいでいた。
喜んだのも束の間
「…でも…年末年始は居られないよ・・・・」
淋しげな表情を浮かべてよしきが言った。
かほはそれを言われなくても解っていた。
だが実際によしきの口から聞くと、かなり落ち込む。
さっきまでの喜びは、とうにどこかへ消えてなくり
小さな悲しみが広がり始めた。