Tears〜硝子細工の天使〜
「28日に仕事が終わったら、アイツのとこ行かなきゃならないんだけど…
そんなことどうにでもなるし…俺ははっきり言ってホントは行きたくないんだ。
かほちゃんと居たいんだ。
だから、27.28と29の夜に、その仕事二人で終わらせよ?
俺、結構あれ好きなんだよね。
アイツのとこ行くのは遅らせるから、ねっ!」
この関係を始めると決めた時から
かほは、いくらよしきが弁明しようと
あおいが本命で、自分は二番手なんだ…
という引け目を無意識に自覚していた。
どんな理由があろうとも
あおいと別れられずにいることは
よしきがいくら言葉を尽くして説明してくれても
理解しがたいことだった。
だから、こんな風に自分との時間を優先してくれることが
たまらなく嬉しく、そんな時だけはよしきの
《愛してるのはかほちゃんなんだ。それは信じて欲しい》
という言葉を少しだけ信じてみたいと思った。