Tears〜硝子細工の天使〜

最初の日はよしきの家でやった。

だが、教材を持ち運びするのが大変ということで

次の二日は、よしきがかほの家に来ることになった。


よしきがかほの家に上がるのは初めてだった。

いつだったか、デートの帰りに送ってもらった時

ちょうどマンションの下にいた息子の拓也と顔は合わせていた。

拓也から話を聞き付けて慌てて見に来た娘の里沙とも会っていた。



しかし、とても人見知りの激しいよしきだ。

緊張しているのがひしひしと伝わった。


しかし二人には目的があったので

リビングに画用紙やハサミ、糊などを広げ

黙々と作業していれば時は過ぎてゆく。


子供達もそれぞれの部屋にいて、時々出ては来るものの

そんな二人に対し、なんの違和感も嫌悪感も抱いていないようだった。





別段、父親と仲が悪かったわけではない。

むしろ親の勝手で離婚をした。


それにどれだけ傷ついていたかもわからないのに

こうして若い恋人の存在を一度も咎めたことのない彼等には

心から感謝せねばならない・・・・





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