Tears〜硝子細工の天使〜
仕事を終えると、かほの家に来て夕食を共にする。
風邪気味だったにも関わらず、よしきは約束通り来てくれた。
そんなよしきにかほは、テレビ番組でレシピを仕入れたばかりの、キムチうどんを作って食べさせた。
それはよしきのお気に入りメニューの一つに追加され
風邪で食欲のない時は、いつもそれをリクエストするようになった。
白い折り紙をたたみ、切り込みを入れ、広げると雪の結晶ができる。
広げてみるまではどんな模様になっているかわからない。
よしきはそれに夢中になった。
よしきが作った雪の結晶を、はっきりさせるため
淡いピンク、水色、黄色の画用紙を丸く切った台紙にかほが貼っていく。
帽子を被り、スキー板をはいた色々な表情のペンギンを画用紙で作る。
「こうした方がキレイだよ」
「うん、これいいね!」
「何色が合うかな?」
二人でする共同作業は夜中まで続いた。