Tears〜硝子細工の天使〜
我慢の限界は越えていた。
「あおいさんの面倒見るのは構わない。
別れるのに時間がかかることも、しかたないって思ってるよ?
だけど、本当に私が好きなら、私を一番に扱って!
それなら文句も言わないし、大めに見れるから…」
かほがそう抗議しても、よしきはいつもこう言った。
「だから言ってるでしょ?
別れるには問題をクリアしていかなきゃいけないし
いつって約束も今はできない。
そんな無責任なこと言いたくないし…
それに、かほとあおいを比べたことはないよ。
比べる対象じゃないんだって!
どっちが一番でどっちが二番とか順番なんてないんだよ」
不満は募る一方だった。
何を言われても、心は休まらない。
それでも、よしきを失いたくない気持ちが勝り
かほは孤独や嫉妬、不安に耐えながらも
わずかな時間でも一緒に居られることを喜びとし、それに縋(スガ)っていた。