Tears〜硝子細工の天使〜
帰りの電車の中で、三人は秀人の話で盛り上がった。
「あの人感じいいよね〜」
「メッチヤ優しいし」
「なんかママのこと、気に入ってたっぽくない?」
「そう思う?ママもそう思ったわ!ムフッ」
「ママ、あの人がいいんじゃない?」
「そうだよ、付き合っちやえば?」
調子に乗り二人は、勝手なことを言い出した。
里沙とは、よしきの話もしていた。
奈那ももちろん知っていたし、里沙や奈那の恋の話もオーブンに話し合っていた。
二人がこうけしかけるのも、かほとよしきの関係を知っていてのことだった。
やはり母親が悩み、悲しみ、涙している姿は
多感な中学生には、胸の詰まる思いだっただろう。