Tears〜硝子細工の天使〜
家に着くと佳奈子は秀人にメールをした。
『今日は大変お世話になり、夏休み最後の楽しい思い出を作ることができました。
ありがとうございます。
社長さんや今井さんにくれぐれも宜しくお伝え下さい』
型にはまったありきたりの内容だった。
『こちらこそ、りさちゃんやななちゃんに楽しませてもらいましたよ。
佳奈子さんの美しさにも感激しちゃいました。
来週を楽しみにしています。また連絡しますね。
今日はゆっくりお休み下さい』
同じように型にはまった社交辞令のようなメールだった。
この先、二人がいつの日か付き合うことになることは
お互いどこかで予想していたに違いない。
新たな恋の予感に、期待を膨らませる反面
これで本当に、よしきと終わらせることができるのだろうか……?
かほの迷いや疑問は、簡単には拭い去れなかった。
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