Tears〜硝子細工の天使〜
‡指輪‡
かほはまもなく、誕生日を迎えようとしていた。
図々しくも勝手にプレゼントを想像しては
値だろうとあちこち物色していた。
もちろん・・・宝石店めぐりである。
昔から、指輪をもらうのが一番好きだった。
指輪は嫌でも毎日自分の目に映る。
指輪を見ると愛されている実感がするし
いつも相手を近くに感じるから…
だから、初めての誕生日には
どうしても指輪が欲しかったのだ。
ある日、かほの目に一つの指輪が目に留まった。
小指にはめるピンキーリングだ
と店員は説明してくれた。
パッと見るとエタニティリングのように
シンプルにダイヤが並んでいるように見えるが
よく見るとリボンの形が横に並び
その間に幾つもダイヤがお花のように施されていた。
かほの好みにピッタリで
もうこれしか考えられなかった。