Tears〜硝子細工の天使〜
「かほの誕生日は絶対に仕事を休む」
とよしきは言っていた。
一日二人で過ごそうと…
その為、しばらくよしきは残業を続けることになった。
メールの回数は減ったが、かほは少しも淋しくなかった。
そして前夜―
よしきはどうしても休みを取る為に
徹夜で仕事をこなさなければならなくなった。
かほはよしきの邪魔をしないよう
一切メールをしないでそっと時を待った。
よしきの気持ちが嬉しかった。
頑張ってくれてることが嬉しかった。
誕生日に長い時間一緒にいられることが
何より嬉しかった・・・・・
急に、高い指輪を値だった自分が
とても恥ずかしく思えてきた。
"モノ"ではない、よしきの精一杯の気持ちを受けとろう…
明日への期待に胸を膨らませながら
かほはいつしか深い眠りへと誘われていった。