Tears〜硝子細工の天使〜
その手には
顔が隠れてしまいそうな位大きな花束が抱えられていた。
それをかほに手渡すと
「お誕生日おめでとう!」
と頬にキスをした。
かほにとって
後にも先にも
生まれて1番幸せに感じた誕生日は
この年だけだろう・・・
二人はいつものようによしきの車に乗り込んだ。
と同時に
「で?どこにあるの、そのお店」
よしきが言った。
かほは耳を疑った。
「えっ?!買ってくれるの?!」
飛び上がらんばかりに叫んだ。
「買わないなんて言ってないでしょ?」
涙が出そうになった…
「ホントにいいの?!」
かほが念を押すと
「欲しいんでしょ?」
よしきが笑った。