Tears〜硝子細工の天使〜

二人にとって

この頃が、一番楽しく

幸せなトキだったと思う。


よしきの部屋にはいつもBGMが流れていた。

殆どが、R&B。

知らないアーティスト

初めて聴くバラード

すべてかほには新鮮で

かほはよしきから

沢山の素敵な曲を教わった。


世界が広がって行くのを感じた…



映画には興味があまりなかったかほだったが

夜中に二人でレンタルビデオを借りて

一緒に見たりした。


「かほちゃんにこれは絶対見て欲しいな」

と言って、選ぶ映画は

ハズレたことはない。



映画にしかり

音楽にしかり

二人の好み

感覚

感性・・・

どれもが似通っていた。


だから、お互い年齢の差など

感じたことなどなかった。



感性が一緒

というのは

お互い心地よく

同じ物を見て美しいと感じ

同じメロディーに酔いしれる





そこに

年齢の壁など

存在しないのだった。
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