奏彩る‐sou irodoru‐
二章‐時間‐

白い夢





テーブルの上 溢れた甘さ
差し込む光に 目蓋閉じる

絡まる温もりに
小さな期待膨らんで
優しい笑顔の先
萎んでいき

自然な振る舞い
終わりが見えた
最後に怯えて眠れない夜
差し出された
ミルクさえ残酷だね




侵食され 歪んだ文字
破ったのはいいけど
捨てきれない


冷たくなったシーツの
君の跡も触れられなくて
ただ反発した背中の
感覚だけ残る


口にしてしまった
“何度目かの私じゃない”
動いてしまった手
“それはあの子のでしょう”
悲しい顔 酷く痛んで



音ばかり紡ぐ唇
何も響かない
雑ざる思考も停止不可

“わかってたはずなのに”
聞こえた言葉は
溶けて落ちた




(もう一度眠りたい)
(もう一度眠りたい)
(もう醒めたくない)



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