王国ファンタジア【氷眼の民】

氷眼の民には、優れた氷結魔法を扱う男女の魔術師がいた。


いつしか導かれるように二人は付き合い、そして子を身ごもった。


優秀な二人から生まれる子供。


周囲の期待に応えるかのように、無事に生まれた子がレインだった。


レインは生まれながらに強力な魔力を秘めていた。


強力な魔力だった。だが強力過ぎたのだ。


生きているだけで害をなす悪魔の子。


大長老達は、二人に子供の抹殺を命じた。


大長老の命令は絶対。逆らえばこの地を追われる。


反逆者の汚名を着せられている氷眼の民にとって、追放は死に等しいものだ。


それでも二人は、実の子を殺すことは出来なかった。


悲しみにくれた二人は、心中を図ろうと砂漠に足を踏み入れていると、砂漠の真ん中に赤子の死体を発見した。
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