王国ファンタジア【氷眼の民】
レインはふっと笑みを溢すと、
「茶番はよせボケ老人」
毒を吐いた。
「魂胆が見え見えなんだよ。なにが「不信感が得られない」からだ。一族の復興と邪魔者の排除、一石二鳥の作戦だと正直に言ったらどうだ」
レインの暴言に、五人の長老達は顔をしかめる。
大長老は眉一つ動かさないが、逆にそれがレインの反感を買った。
「たかが十歳の子供一人抹殺できぬ隠居達の代わりに、ドラゴンを使おうって腹か? さすが先々代国王を暗殺しようと企んだ大長老様。エゲツないお考えをなされる」
「貴様! それ以上の暴言は許さん!」
長老の一人が立ちあがる。
手には氷で出来た刃を握り、その切っ先をレインに向けていた。
それでもレインは余裕の表情で、一笑にふす。
「実力を分からぬ老人共め、脳みそまで干からびたか。なんならここで氷漬けにしてやろうか?」