王国ファンタジア【氷眼の民】

残りの長老達も立ちあがる。


魔力を集中させていつでも攻撃出来る態勢になっているが、誰もそれ以上のことはしない。


レインのプレッシャーに、身体が動かないのだ。


「三文芝居はいいって言ってんだよ! 三下は黙ってろ!」


一呼吸置き、レインは続ける。


「……いいだろう、あんた達の策略に乗ってやるよ。ただし両親に手を出してみろ、その瞬間お前達の命はないと思え」


「良かろう。では明日の明朝にでも発ってくれ。道中の行先はこの地図を見れば分かる」


懐から一枚の地図を取りだす。


魔力が籠ったこの地図は、持ち主と目的地の場所を正確に教えてくれる優れ物である。


レインは乱暴にそれを受け取ると、さっさと集会所から出ていく。


「無事を祈っておる」


扉の前で足を止める。
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